息子よ
ずいぶんと投稿の時間があいてしまったが、この間、5月16日に君が生まれた。もともと、本来ならば6月上旬に生まれるはずだったのが5月15日に予定が前倒しになったことは既に伝えたとおりだ。
ところが、君はせっかちなのかノンビリ屋さんなのか、当日になってからお母さんのお腹の中から出てくるのに33時間もかかってこの世に出てきたため、誕生日は1日ズレることになった。これは、一般的な出産と較べれば、かなりの難産で、生まれた君も疲れがたまったのか体調が思わしくなく、暫くは保育器に入ることになったんだ。
今回こそ、まさに「ようこそ世界へ!」と伝えるべきタイミングだと思う。父さんは感染症防止のため病院で出産に立ち会えなかったが、出産を終えた母さんからビデオ通話(今の時代ではこう言う)で出産報告をもらった時というのは、まさに感動の瞬間だった。
母さんが入院し陣痛が始まってからは、とにかく無事に母子ともに健全に出産を終えることだけが父さんが希望することの全てだった。現代では出産で命を落とす人は少なくなり、死産だって決して数は多くない。ただ、そんな確率論は自分の目の前で起きていることには何の気休めにもならないので、自宅のリビングでひたすら君と母さんの無事を祈っていた。
だから、まず君には生まれてきてくれてありがとうと伝えたいし、無事に君に会えたこの感動を父さんは忘れないだろう。
唐突だが、誰しも第一子の時に初めて親になる。君にしてみれば、親は何でも知っていて、何でも経験しているかのように見えるだろう。だが、親になる経験はそうそうあるものではない。だから、ここからの2か月は僕たち夫婦にとって初めてのことだらけで本当に大変だった。誰だって、いきなりゆるゆるのウンチをまき散らされることへの対処なんて習っていないし、新生児をどのくらいの力加減で扱っていいのか知らないからね。
それでも、君が呼吸をしてるのか、寒くないか、暑くないか、オムツは汚れていないか、ありとあらゆる心配を始めることになる。母さんの妊娠中、父さんのある友人は言った。「おめでとう。でもこれから君は死ぬまで心配の絶えない人生を送ることになる」とね。これはまさに言いえて妙だ。それでも父さんは、自分のこと以上に大事で、心配で、愛する対象である君と出会えたことを人生最高の幸せだと感じている。寝不足でフラフラになっているが、それは間違いない。君も、いずれ父さんのことが嫌いになる時期はくるだろうが、そのことだけはぜひ覚えていて欲しい。
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